ナゴド初日のガルフロにめちゃくちゃ感動した話

 

デレ6thが終わりましたね。

 

自分は友人がチケットを確保してくれたので、ナゴドを二日とも参戦することが出来ました(本当にありがとう・・・。)名古屋に行くのは今回が人生で初。ひつまぶしってあんなに高いんですね。交通マナーは思ったより良かったです。

 

あと、名古屋と言えば戸松遥の出身地(正確には隣の一宮市)ですね。彼女が来年30歳とかいう噂がありますが、まあ~信じられん。僕はいつになったらオタクやめるんですかね。

 

さて、突然ですが、僕はシンデレラでは神谷奈緒の担当です。

 

奈緒の魅力ですが、基本的には無邪気な子供っぽさと、ちょっと「背伸び」して大人びようとしている、ごちゃっとした性格。そして、元々オタク気質だからこそ可能な、どんな風にファンに喜んでもらうかを考え抜いたパフォーマンスとノリこそ、彼女が人を惹きつけて離さない理由だと思っています。

 

そんな奈緒、そして彼女を演じるまつえりは、名古屋公演の両日共に出演しました。そんな名古屋公演、僕はMVPを奈緒、それもガルフロのセンターを務めた奈緒にあげたいと思います。TFを歌いきったトライアドの奈緒でも、NBPを5th以上の安定感でやりきった奈緒でもなく、です。

 

理由をつらつら書いていきます。

 

*これより下では楽曲と実際のライブを材料に考えたことを述べています。中の人とキャラの混同が少しでも苦手でしたら読むことをオススメしません僕の勝手な妄想も多数含まれます。知識不足は御免なさい。

 

そもそも奈緒はクールの中でもキュート寄りだと言われるくらい「かっこいい」よりも「かわいい」が目立つキャラです。だからこそ、時たま見せるキリっとした場面がギャップを誘ってまた刺さるわけなんですが。

 

実際に彼女が貰った1曲目は、意中の相手にうまく自分を出せない、踏み出せない、そんな奥手な恋する女の子を描いた曲でした。クールな女性とはかけ離れた、おそらく10代の女の子の恋模様を表現したこの楽曲。言うまでもなく、この女の子は奈緒自身のモチーフにしているのでしょう。彼女を紹介する「名刺」にこれ以上ふさわしい曲は無いんじゃなかろうか。

 

その後、これまたクールらしさとは少し離れたオルゴールの小箱に参加したりしてたわけですが、この次に奈緒が歌った曲がTrancing Pulse。TPについてはここでは詳しく述べませんが、トライアドの"らしさ"をふんだんに詰め込んだこの楽曲は、単純に奈緒がそれまで歌ってきた曲を思えば少し異色だったと思います。

 

やっとクールらしい曲が歌えたわけです。ラスサビ前のあのロングトーンも任されました。まつえりのレコーディング話は奈緒Pならご存知だとは思います。

 

このTPがCDの譜割り通りに初お披露目されたのは4thのSSA2日目。3人のハーモニー、魂がこれでもかと詰め込まれたラスサビ前のロングトーン。本当に素晴らしかった。

 

そして、奈緒担当としては彼女がクールアイドルさを存分に発揮したこの公演が1つの契機だったように思います。具体的に言えば、ここから彼女の歌うスタイルや、貰う曲自体の方向性が大きくシフトしたのです。

 

奈緒は、この次にNothing but You を歌うNEXーUSメンバーに選ばれます。この曲もまた疾走感溢れるテイストの楽曲です。メンバーの中でクールはアーニャと奈緒の2人でしたが、曲調自体は非常にカッコいい。このイベントコミュで、奈緒はちょっぴりお姉さんなリーダーっぽい役回りを演じました。アーニャの、「カッコよさ」を表現することに不慣れな他の3人が悩む姿を見て、Pと相談しながらどのようにアドバイスしようかと考えている姿が印象的です。

 

このコミュの中で、彼女の楽曲や自身のスタイルに関する印象的な発言がいくつかあるので、少し紹介したいと思います。

  

1つ目はこちら。

 

「・・・あ、あれ。でもさ、あたしって元々こういう曲を歌うイメージじゃん?新しい一面って見つけられなくない?」

 

それまでキュートやんけって散々言われてた奈緒確実にTPを歌っていなければ出てこない発言だと言えます。彼女自身の中の1つのイメージがトライアド由来の自分で確立されてるのは面白いなぁと。

 

続きまして2つ目

 

「あたし自身をカッコいいと思ったことはないけど、可愛い服を着せられるよりはキリッとした歌が得意だし、今回の曲だって、あたしは全然不安じゃないっ。」

 

さて、最初の「あたし自身を~」という部分と1つ目の発言を照らし合わせると、『奈緒は他者からの自分のイメージに「カッコよさ」があることを自覚している反面、自分を「カッコいい」とは認めていない』、ということが分かります。

 

(この「思っていない」というのが、彼女の控えめな主張からの謙遜なのかちょっと図りかねないところがありますが、ここでは「少なくとも声を大にして言うほどの自信はない」という理解でいきます)

 

そしてこの発言に関してもう1つ注目したいのが中間部分。彼女は「可愛い服」と「カッコいい曲」を比較して後者を選んでいるのです。そうです、曲同士の比較ではないのです。

 

奈緒はメイド服などの可愛い服をよく着せられます。周りからの人気は高い一方、本人が苦手にしている(これもツンデレ感あり)のは様々なところで触れられています。ただ、この「(本人が苦手としている)可愛い服よりもキリッとした歌が得意」という比較はピンとこない。

  

なので、僕はあえて可愛い「曲」が比較されなかったのだと考えました。ではなぜ彼女はこの比較を避けたのか。確かに、奈緒はTPを歌ったことを通してキリッとした曲は得意と言えるようにはなりました。ただ、それが自分にとって1番の武器だと言えるまでにはまだ至っていない、という認識があるからではないでしょうか。

 

もちろん、この発言の最後に現れている通り、彼女はNEX-USの中で唯一この楽曲を歌うことに自信を持っています。それを考えると、上記の主張は若干言い過ぎ感はあるでしょう。ただ、奈緒の楽曲が可愛い雰囲気からクール、彼女の言葉を借りるならキリッとした雰囲気に移りゆく、そんな過渡期をうまく表しているのではないかと僕は思うのです。

 

この後、奈緒Neo Beautiful Pain という曲を貰いました。その曲調は極めてダンサブル。湖面を想起させる、落ち着いたAメロ。しかし、Bメロから徐々に鼓動の高まりを表現するようなバスドラにつられ、一瞬のブレイクの後、サビでこの曲は爆発的な盛り上がりを迎えます。

 

この曲の中に、それまでの彼女を象徴するようなキュート感は欠片もありませんでした。曲名にあるように"痛み"が題材のこの曲を歌い上げる彼女はクールらしさ全開。カッコいいんです、本当に。

 

思い返すと2nd SIDEは彼女の性格を表現した曲でしたが、このNBPは彼女が得意とするダンスを最大限に生かすための楽曲であると同時に、彼女が「クール」アイドルであることを再確認させた楽曲となりました。

 

以下蛇足。これらの両曲、NBPに関しては先ほど触れたのですが、2nd SIDEはほぼ確実にバスドラで胸の鼓動を表現しているらしいです(ソースがちょっとわからん)。同じパートで同じ鼓動を表現しながら、その表情をガラリと変えて相違感をうまく出してるのでは、ってのが僕の考えです。

 

そして、このNBPと前述のNbYは発表期間が1ヶ月しか開いていませんでした時期的にも集中的に奈緒の"クールらしさ"が強調されたのです。そして、彼女はこのまま5th公演に向かいます。

 

5thでは他の2曲目のソロ曲を持っているアイドルと同じように、彼女も2nd SIDEを1度も歌いませんでした。それぞれ3回ずつ、NBPとNbYを彼女は歌います。

  

ここで、僕は5thでのまつえりのNBPのダンスに関しても言及したい。NBPの初お披露目となった福岡公演。そこで彼女自身が語っていたように、その前のMemoriesに負けたくない一心で、まつえりは疾走感を更に表現するダンスを振付師さんにお願いしました。ラスサビで前に蹴り出してくるあのパフォーマンスも彼女が考えたものです。

 

オタク気質である奈緒自身が高まってしまったから、そしてファンに高まって欲しいからこそ、彼女はパフォーマンスに全力です。その姿勢をまつえりはこれ以上ない形で表現しました。

 

いずれにせよ、5thは彼女にとって、自身のイメージを新しく塗り替えていく、そんな公演だったと言えるでしょう。

 

そして、次に彼女が歌うことになったのはトライアドの2曲目、Trinity Fieldでした。始めはまたトライアドでライブが出来る事を喜んでいた奈緒も、加蓮との間で意見が食い違い、トライアドという場所が壊れてしまわないか不安なります。最終的に、奈緒としては自身が他の2人を尊敬している事を再確認、2人の期待に応えることが目標だと伝え、TFと向き合います。

 

この曲の曲調は非常に"青い"。トライアドの楽曲であるイメージをそのままに、奈緒の言葉を借りれば「誇りの歌」として完成したこの曲で、彼女はこの年に築き上げた"クールな"イメージを存分に活かすことが出来と言えます。

 

このイベントコミュの中で、奈緒は対立していくトライアドの状況を見て、Pを非難する場面があります。もっとPなら早く問題を収拾することが出来たのではないか。Pとしてはそれぞれの、実は遠慮して隠している本心を引き出したいからこそ静観したわけですが、なによりも言い合いを嫌う奈緒にはそれが理解できませんでした。ただ、最終的に奈緒は凛と加蓮と一緒に「背中合わせにお互いを感じる」このTFを歌いきったことにより、このPの思いを理解したように思えます。

 

この次に彼女が歌うことになったのがFrostでした。奈緒としては、それまで続いたクールらしさを残しつつ、哀愁と可愛さが絶妙に折り重なる表現に成功した楽曲と言えます。

  

当初、クールという与えられた属性とは少しズレた可愛らしいイメージがあった奈緒。しかし、彼女は元来のイメージを一つの武器として携えるだけでなく、楽曲を通してほかのクールアイドルと謙遜がない程のクールらしさを手に入れたわけです。

 

そして本題です。ガルフロです。ガルフロなんです。この記事で書きたかったのは奈緒が、まつえりがセンターを務めたガルフロなんです。

 

ガールズ・イン・ザ・フロンティアアイマスの特徴として、元々「女性の強さ」をテーマにすることが多かったわけですが、ここまで突き放すような力強さで歌った楽曲は少ないんじゃないでしょうか。

 

この楽曲で登場するのは、デレマスのテーマでもあるシンデレラ。実際の物語では灰を被った主人公は、魔法使いの力を借りたことでカボチャの馬車に乗り、舞踊会で王子と出会います。その後、一度は魔法が解けて別れる2人。ですが、王子がガラスの靴を手かがりに彼女を探し出したことで、2人はめでたく結ばれます。しかし、この楽曲で描かれるシンデレラ達は魔法使いの登場を待つことを辞めて––そして王子すら必要とせず––自ら行動を始めます。

 

"バックパックに希望を詰めて、自分の足で歩けシンデレラ"––御伽噺のイメージ通りには行かないと気づいた彼女達は、カボチャの馬車ではなく、自身の足で歩むことを決意します。目指すのは"舞踏会より煌めく場所"。

 

ナゴヤドーム初日において、この曲のセンターを奈緒とまつえりは任されました。そして、そのパフォーマンスに僕は震えが止まりませんでした。なぜなら、その中に彼女が今までライブや楽曲で培ってきたものが強烈に感じられたからです。

 

ガルフロの曲調ですが、これはTP以後の奈緒が得意とするものでした。言い換えれば、それはそれまでのどちらかと言えば落ち着いた、可愛らしい彼女では十分に表現ができなかっただろう、ということです。NbYでの「あたしらしい」という発言の後、更にNBPとTFで精錬された彼女のクールらしさ。上でも述べた僕の意見では、NbYではまだ可愛らしい楽曲よりも自信を持てていなかったわけですが、その後5thで3回ずつNbYとNBPを歌い、TFの荒波を経験した奈緒とまつえり。そんな2人にしてみれば、このガールズ・イン・ザ・フロンティアという曲は「よし来た!!!」と言ってしまうような、そんな曲だったはずです。

 

実際に、当日のパフォーマンスは・・・本当にカッコよかった。誰からも認められる、"キリっとした"奈緒がそこにいました。ただ、同時に彼女の一つ一つの動作が、満面の笑みで「やってやったぞ~!」って訴えかけているのもよく分かって。彼女のイメージは"カッコいい"に変わろうが、それはそれまでの"可愛い"と両立されたものなのだと、改めて深く痛感させられた瞬間でした。

 

なによりも鳥肌が止まらなかったのは、そして、自分が奈緒の担当で良かったと心から確信した瞬間はラスサビ前。

 

「だから––ひ・ら・け!」

 

音源通りの歌唱通りとは違う、一音一音を噛みしめるように、振り絞るように区切りながら奈緒が発したこの1フレーズ。5万人を静まり返らせたあの圧倒感

 

彼女達がこれから歩みを進める"フロンティア"。そこに対する希望や不安や葛藤。奈緒はその全てを、あのフレーズの表現で完全に押しのけて見せました。

 

ただ、そんなことを可能としたのは、紛れもなくこれまでの彼女達の努力であり、歴史であり、成長なのです。これまでの彼女が歌ってきた曲達と、それと真摯に向き合った彼女達、その全てのエッセンスがこの1フレーズに凝縮されていたのです。

 

そんな今日までの奈緒の成長を見ていると、虹色橋という言葉は、もしかしたら彼女自身を表したものなのかも、と思い始めました。

 

始めはピンクのような可愛さから始まった彼女のイメージは、持ち前の明るさであるオレンジ、すぐに拗ねてしまう子供らしさの、周りとのバランスを象徴する、そして、TP以後の楽曲で手に入れた青と藍を通り、今まさに"彼女自身の色"である紫に至るのではないか、と。

 

もちろん、今が完成形であるわけではありません。毎回成長を見せ続ける彼女達。一体これからこの虹色橋がどのように輝くのか・・・。"解けない魔法の呪文"をかけられた1人として、引き続きゆっくりと見守って行ければ、と思います。

 

せーじん